7年間の会社生活を経て、「人に雇われるより自分で自分を雇いたい」という気持ちが大きくなり、フリーランス翻訳家になると決めてから早5年。
いざなってみたはいいものの、提出書類や確定申告など、最初は分からないことだらけでした。
今回は、開業届の書き方・提出の仕方について、体験談も交えてシェアしたいと思います。
これからフリーランス、個人事業主になる方の参考になれば幸いです^^
フリーランスは個人事業主として開業すべき?
その辺りの知識が全くなかったので、ネットでざっと調べたところ、
開業届を出して青色申告者として確定申告すれば、
・最大65万円の特別控除が受けられる
・赤字を繰り越せる
など、メリットが多いということが分かりました。
節税できるならやらない理由はないな、ということで思い切って開業してみることに。
開業届を準備する
まずは、税務署に開業届を出すところから。
フォーマットのダウンロード
開業届のフォーマットは、国税庁HPのこのページからダウンロードできます。
『個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)』というPDFファイルをダウンロードしてください。
その下にある『書き方』というファイルは、残念ながら見本ではありませんが注意事項が書いてあるので、念のため一緒にダウンロードしておくとよいでしょう。
【見本】開業届の書き方
ポイント
開業届は手書きでも良いのですが、パソコンからPDFを編集することをおすすめします。
1ページ目を記入すると2ページ目(控え)にも同じ内容が反映されるようになっているからです。
まずは上の部分。
①所轄の税務署名
○○税務署長の○○には、所轄の税務署名を入れます。
例:品川税務署が所轄なら、『品川』税務署長
所轄税務署は、国税庁HPのこのページから確認できます。
なお、1つの区に税務署が2つあることがありますのでご注意ください。
たとえば、品川区には品川税務署と荏原税務署があります。
②納税地
どこが納税地になるかについて、『住所地・居所地・事務所等』のどれかにチェックを入れ、自分の住所と電話番号を記入します。
私は自宅の一角を事務所にしているので、『住所地』にチェックを入れました。
事務所があるという方は、『事務所等』にチェックを入れてくださいね。
③氏名・生年月日
氏名を記入したら、印刷後に捺印をお忘れなく。
④個人番号
個人番号(マイナンバー)を記入します。
余談ですが、確定申告の時などでもマイナンバーを使うので、マイナンバーカードを作っておくといいですよ。
⑤職業
職業は、私の場合翻訳の仕事をしているので、『翻訳者』と書きました。
⑥屋号
個人事業主は自分で屋号を決めることができます!なんか開業した感がありますよね笑
私はミーハー心と、将来的に屋号名で銀行口座を開設したかったので、屋号を記入しました。
ちなみに屋号には数字やアルファベットを使うこともできます。
ココがポイント
屋号は会社でいえば社名。わかりやすく、かつ覚えやすいものにするといいでしょう!
続いて、下の部分です。
⑦届出の区分
ここでは『開業』にチェックを入れます。
⑧所得の種類
不動産所得や山林所得でない場合は、『事業(農業)所得』にチェックを入れます。
⑨「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」
開業して青色申告者になる方は、『有』にチェックを入れて、別途「青色申告承認申請書」を提出します。
私の場合は、開業の時点では青色申告についてよく分かっていませんでしたが、いろいろメリットが多いということだったので、一緒に出すことにしました。
なお青色申告承認申請書には、提出期限※1があるので、開業届と一緒に出しておくのがおすすめです。
※1 これから開業する人:原則として開業日から2ヶ月以内
白色申告から青色申告に切り替える人:毎年3月15日まで
青色申告のメリット・デメリット、申請書の書き方については、こちらもご参照ください。
-
【節税効果あり】青色申告のメリット・デメリット
続きを見る
-
【見本あり】青色申告承認申請書の書き方~フリーランス翻訳家が開業してみた!~
続きを見る
⑩消費税に関する「課税事業者選択届出書」又は「事業廃止届出書」
「課税事業者選択届出書」は、課税事業者にあえてなりたい方が提出する書類。
ここはいったん『無』にチェックを入れれば大丈夫です。
さらに詳しく
消費税の申告・納付が義務づけられているのは売上高が1,000万円を超える場合(課税事業者)で、それ以外は免税事業者に分類される。
条件 | 備考 | |
---|---|---|
免税事業者 | 売上高が1,000万円以下 | 消費税の計算や申告、納付が不要 |
課税事業者 | 売上高が1,000万円を超える | 消費税の計算や申告、納付が必要 |
また、売上高は前々年度のもので判断されるため、直近で1,000万円を超えていても開業から2年以内であれば免税事業者の扱いになる。
⑪事業の概要
[できるだけ具体的に記載します]という注意書きあるものの、どれくらい詳細に書かなければいけないか分からなかったので、
とりあえず私は簡潔に『翻訳・通訳に関するサービスの提供』と書きました。
開業届と控えを印刷
書き終わったら、開業届を印刷します。
この時、PDFファイルの2ページ目の控えも印刷してください。PDFで作成すると、1ページ目の内容が2ページ目に反映されているはずです。
PDFではなく手書きで記入した方は、書いたもののコピーをとってもOKです。
開業届を提出する際、控えも一緒に提出すると、両方に受付印が押され、控えは自分に戻ってきます。
開業届を提出する
書類の準備が整ったら、所轄の税務署に提出しに行きましょう!
持ち物
- 開業届
- 開業届の控え
- (青色申告の方は)青色申告承認申請書
- マイナンバー通知カードorマイナンバーが書かれた住民票
- 運転免許証などの身分証
- 印鑑 ※訂正が必要になる場合があるため
開業届は、その場で受理されます。
私の時は並んでいる人も居なかったので、5分くらいで受理されました!笑
あとがき
実は私、提出自体はスムーズだったのですが、最初間違えて所轄ではない税務署に行ってしまったんです。
少しでも縁起のいい日にと大安の日を選んで、「この日に出す!」と決めていたので、かなり焦りました。
最終的に希望の日に出せたのでよかったですが、これから出される方はぜひ余裕を持って税務署に行ってみてくださいね。
ちー🍀