フリーランスになりたての頃、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングを通して翻訳の仕事を受注していました。
今でもたまに、まとまった仕事と仕事の合間の、余裕があるときに利用しています。
今回は、実際に仕事をしてみた感想をまとめてみました。
クラウドワークス、ランサーズは・・・
- 初めての取引でもお金のやりとりが安心
- 初心者OKの案件が多い
- 翻訳単価が相場の半分以下の案件も
- 手数料が高い(10万円以下の仕事で20%)
- スキマ時間を有効活用したいときに利用すべし!
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クラウドソーシングサービスとは
クラウドソーシングは、Crowd(群衆)とSourcing(業務委託)の造語で、企業や個人がインターネットを通して不特定多数の人に仕事を外注できるサービスです。
働く場所や時間が制限されないため、多くのフリーランスや主婦、またはサラリーマンが副業として利用していると言われています。
クラウドワークスとランサーズは、クラウドソーシングサイトを運営する大手2社。
補足:クラウドワークスとランサーズの違いは?
クラウドワークスとランサーズの違いは、詳しく比較すれば出てくるのかも知れませんが・・・
仕事を受注して報酬が支払われる流れや、サイトの作り、報酬にかかる手数料のルールなどが本当に似ています。
実際に2つのサイトでかぶっている案件も多く、どっちが良い、悪いと比較するのは意味が無いような気もします。
追記(2020.5.7)
・クラウドワークスでは、システム利用料にさらに消費税がかかる
・ランサーズはかからない
⇒同一案件で報酬が同じであれば、ランサーズで仕事をしたほうがいいかも?
利用の流れ~7ステップ~
利用の流れを7ステップでまとめてみました。
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1会員登録
クラウドワークスとランサーズのサイトにそれぞれアクセスして、会員登録を行います。
登録自体は簡単で、お金はかかりません。
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2仕事を探す
カテゴリーの中に『翻訳・通訳サービス』があるので、クリックすると翻訳・通訳分野の案件が表示されます。
また、『英語通訳・英文翻訳』や『中国語翻訳』、『韓国語翻訳』などの言語でしぼったり、『出版翻訳』『映像翻訳・メディア翻訳』といったジャンルごとに検索することも可能です。
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3案件に応募する
やってみたい仕事が決まったら、案件に応募してみましょう。
応募者が多数いる場合は、クライアント(発注者)が応募者の中から発注する人を選定します。
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4仕事を受注したら作業を開始!
仕事を受注したら、クライアントとサイトのメッセージ機能を使ってやりとりして、仕事の指示(注意事項、納期など)をもらいます。
クライアントの『仮払い』が終わったら、いよいよ作業開始。
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5納品
作業が完了したら、サイト上で『納品』をクリック。
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6クライアントが報酬を確定
クライアントが報酬を確定させます。この時、システム利用料が手数料として引かれます。
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7自分の口座へ売上金を移す
自分の口座へ売上金を移します。この時、銀行手数料がかかります。
実際に受注した案件
筆者が実際に、クラウドワークスやランサーズを通して受注した案件の一例です。
英日翻訳①
・内容:電子デバイスのユーザーマニュアル翻訳
・分量:2,500ワード
・単価:原文ベースで1ワードあたり4円
・報酬:10,000円
英日翻訳②
・内容:特許公報の要約文の機械翻訳を校正
・分量:訳文ベースで600字、月10件ほど
・単価:訳文ベースで1字あたり1円
・報酬:月6,000円
韓日翻訳
・内容:Youtube用の韓国語動画に日本語字幕をつける
・分量:10分ほどの動画を週に3本程度納品
・単価:10分あたり1,000円
・報酬:月12,000円
同行通訳
・内容:海外のクライアントが日本企業を訪問する際の同行通訳
・分量:2日間(1日6時間)
・時給:2,000円/hr
・報酬:24,000円+交通費
アシスタント
・内容:資料作成などのアシスタント業務、必要に応じて英日翻訳
・分量:月に3回ほどの依頼
・報酬:月15,000円
メリット&デメリット
メリット
お金のやり取りが安心
いったん仕事を受注すると、クライアントが仮払いを行うことになっています。
支払われた報酬は、サイト運営側が一時的に預かっているような状態になるので、報酬が支払われないという心配がありません。
ココに注意
安全に利用するために、仕事は必ず『仮払い』が行われたあとに始めること
また、名前や銀行口座、メールアドレスなど個人情報を公開せずに取引できるのもメリットの1つです。
初心者OKの案件が多い
翻訳案件の中には、たまに初心者・未経験OKの案件があります。
翻訳の求人って大体が、『翻訳経験○年以上』とか、『翻訳支援ツールを持っていること』などを募集要項としていて、ちょっと敷居が高いですよね。
これから翻訳の仕事を始めるにも、まずは実績が必要。初心者・未経験OKの案件は、単価や報酬は安くなりますが、実績を作るためには活用できそうです。
スカウト制度がある
クラウドワークスとランサーズには、『スカウト制度』があります。
自分のスキルやプロフィールを公開しておけば、それを見たクライアント側から直接依頼をもらえることがあります。この場合、報酬額も交渉できる場合が多いです。
ある程度実績が出来ると、クラウドワークスでは『プロクラウドワーカー』、ランサーズでは『認定ランサー』という称号のようなものが与えられるので、スカウト率がアップします。
私もランサーズで5~6件仕事をしたところ認定ランサーになりましたが、それからは直接依頼を受けることが増えました。多いときで月に2~3回あったと思います。
ただし、仕事をしていない期間が一定期間続くと、称号は剥奪されてしまいます。
デメリット
翻訳単価が低い
デメリットは、翻訳単価の低い案件が多いという点。
翻訳者ネットワーク『アメリア』の公式サイトを見てみると、翻訳単価(報酬)の相場についてこう説明されています。
Q : 翻訳の報酬の相場は?
実務翻訳の多くが、原文の文字数もしくは訳文として仕上げた文字数で報酬が計算され、分量に応じた出来高払いとなります。
例えば英日翻訳では、英語の原文1ワードにつき○円という計算方法(原文ベース)と、訳出した日本語400字あたりで○円という計算方法(仕上がり訳文ベース)があります。最終的な報酬は(単価)×(翻訳した文字数)で決まります。
おおよその目安として下記が相場と言われております。
●原文ベースの単価
英日:1ワードあたり7円~14円程度
日英:1字あたり約4円~10円程度●仕上がり訳文ベースの単価
翻訳者ネットワーク『アメリア』公式サイトより引用
英日:400字あたり1,000~3,500円程度
日英:200ワードあたり1,500~4,000円程度
英日翻訳の場合、原文ベースで1ワードにつき7円~15円程度が相場とされているのに対して、筆者がクラウドソーシングで請け負ったのは1ワード4円か、それ以下の単価の案件ばかり。
中には信じられないくらい、価格が崩壊してしまっている案件も見受けられました。
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『アメリア』で翻訳求人検索⇒応募⇒トライアルを受けるまでの流れ
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手数料が高い
両サイトともに、報酬からシステム利用料として手数料が引かれます。
・10万円以下の部分:報酬の20%
・10万円超20万円以下の部分:報酬の10%
・20万円超の部分:報酬の5%
案件一覧を見ていると、10万円以上の案件はほぼありませんので、ほとんどの場合で報酬の20%が手数料として引かれてしまいます。
報酬1万円の案件でも、結局受け取れるのは約8,000円に。これはちょっと痛いですよね・・・
また、売上金を自分の口座に移すときも、銀行手数料がかかります。
・楽天銀行:110円(税込)
・楽天銀行以外の銀行:550円(税込)
なお、確定申告しているかたは、このシステム利用料も経費処理できます^^
勘定科目は、『システム利用料』という項目を新たに作ればよいそうです。
勘定科目 | 摘要 |
システム利用料 | クラウドワークスシステム利用料 |
中には怪しいクライアントも
筆者の経験上、中には「ん?」というようなクライアントもいます。
通常、クラウドワークスやランサーズでの仕事は、クライアントが『仮払い』をしてから仕事を始めますが、あるクライアントから「急ぎで翻訳してほしいので、先に作業を始めてください!」と言われたことがありました。
仕方なく進めていると、なかなか支払い手続きをしてくれなかったり、質問事項を送っても返信が来なかったりと、終始不安なまま取引が進みました。
最終的には無事取引を終えることができましたが、ちょっと怪しそうな案件には手を出さないほうがよさそうです。
まとめ
クラウドワークス、ランサーズは・・・
- 初めての取引でもお金のやりとりが安心
- 初心者OKの案件が多い
- 翻訳単価が相場の半分以下の案件も
- 手数料が高い(10万円以下の仕事で20%)
- スキマ時間を有効活用したいときに利用すべし!
あとがき
フリーランスの仕事をしていると、どうしても案件が途中で途切れてしまったり、仕事がなくなって不安な時期がありますよね。
クラウドワークスやランサーズでの仕事だけで食べていくのは難しいかもしれませんが、仕事がない期間に上手に利用することで、新たな収入源を見つけられる可能性もあります。
無料で利用できるので、気になる方は登録してみてくださいね。
ちー🍀