会社の人間関係に悩み退職⇒失業⇒勢いで開業し、フリーランス翻訳者になったはいいものの、最初は売り上げが思うように伸びていきませんでした。
映像翻訳を学ぶために翻訳学校にも通っていたし、個人事業主は何かとお金がかかる・・・
ということで、フリーランス1年目の時は、収入を安定させるために翻訳とは全く関係ない一般事務のパートで週2~3日ほど働いていました。
個人事業主として開業していても、確定申告時にきちんと申告すれば、パートやアルバイトをすることは全く問題ありません。むしろ、本業(個人事業)のほうが軌道に乗るまで、バイトをして副収入を得る人は多いとのこと。
今回は、個人事業とパート・アルバイトを掛け持ちしたら確定申告はどうすればよいのか、また実際に掛け持ちしてみて気づいたことなどをまとめてみました!
確定申告・仕訳はどうする?
個人事業主になって、確定申告のために帳簿をつけ始めましたが、なにしろ筆者は簿記3級に落ちてしまうほど簿記が苦手。知識はほぼゼロです。
「パート代出たけど、いったいどうやって仕訳すればいいんだろう?」
そこで、確定申告や帳簿の付け方を手伝ってもらっている、地元の青色申告会で聞いてみました。
青色申告会の職員さん
雇用契約を結んで、時給で働くようなパートとかアルバイトのお給料は『事業所得』じゃなくて『給与所得』だから、仕訳の必要はないよ~帳簿にはあくまで「事業に関する収支」を記帳すればいいんだよ
え?そうなんですか?
所得に種類があるなんて知らなかった・・・
事業所得と給与所得は別!
青色申告会の職員さん
確定申告の時は、まず事業所得に関する『決算書』を作って、次に『確定申告書B』を作るときに事業所得と給与所得を別々に記入する形になるよ。その時にパート先の源泉徴収票が必要になるから、確定申告までにもらっておいてね!
なるほど、申告書Bを見てみても、事業の収入を書くところと、給与の収入を書くところはしっかり分かれている・・・
確定申告(青色申告の場合)で作成する書類は、
①所得税青色申告決算書(損益計算書、貸借対照表)
②確定申告書B
の2つです。
まず事業所得に関わる部分の①決算書を作ったあと、②確定申告書を作る際に給与所得を入力したり、年金や医療・生命保険など控除対象になるものを入力する形になります。
会計ソフトを活用すれば楽
最近では、会計ソフトで確定申告書類を作っている人がほとんどだと思います。
例として、やよいの青色申告オンラインでの入力方法を見てみましょう。
決算書の作成後、確定申告書を作る段階で事業以外で得た収入を入力するところがあります。※左から3番目の「所得」の欄
決算書や申告書というととても難しく聞こえますが、基本的には会計ソフトでその年の売上と経費に関するお金の流れを帳簿に付けてさえおけば、あとは確定申告の時期(2/16~3/15)にソフトの案内に従って申告するだけです。
やよいの場合はチャットや電話・メールで質問できるので、初心者におすすめです。
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【自分で確定申告】やよいの青色申告オンラインの始め方・使い方
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掛け持ちするメリット
個人事業とパート・アルバイトを掛け持ちするメリットは多いです。
収入が安心する
1番は、「収入が安定する」ということ。
個人事業主やフリーランスは、仕事量が月によってバラバラだったり、常に仕事があるとは限らないため、どうしても収入が不安定になります。
そんな中で、月何万円かでも固定の収入があれば、安心感を得られますよね。
気分転換になる
筆者は在宅で翻訳の仕事をしているのですが、ずっと家にいると孤独や不安を感じてしまう時があります。
そんな時にパートのシフトがあると、外に出たり人と話したりする機会が生まれるので、いい気分転換になります。(パート先の環境にもよりますが)
世の中の常識についていける
企業の中で働いていると、世の中の新しい常識や概念についていきやすくなります。
例えば今なら、電子決済、電子署名の使い方、『zoom』を使って会議をする方法など。
一人で仕事をしていると自分で一から調べなければいけないことでも、パート先でできる人に教えてもらって、知識をアップデートできる点は、大きなメリットだと思います。
掛け持ちするデメリット
本業に集中できなくなる
個人事業とパート・アルバイトを掛け持ちするデメリットは、なんと言っても「本業に集中できなくなる場合が多い」、という点。
シフトが入っている日は本業の仕事を入れられませんし、急な依頼が入ってきても泣く泣く断らざるを得ないなんてことも。
無理に両方こなそうとして、2か月ほど休みが取れず体調を崩したこともありました。
実際に1年ほど掛け持ちしてみて、メリットも多い一方で、両立はなかなか難しいということがわかりました。
個人的にはパート・アルバイトをするとしても、週1~2日にとどめておくか、期間が限定されている仕事に就くことをおすすめします。
また、できるだけ本業に近い業種で働いたほうが(翻訳事業をやっていたら、翻訳会社でバイトするなど)、自分のためになるということにも気づきました。
まとめ
この記事のまとめ
- 個人事業とパート・アルバイトは掛け持ちしてOK
- 確定申告のために源泉徴収票をもらっておくこと
- 掛け持ちはメリットも多いが、「本業に集中できない」というデメリットも
あとがき
1年間続けたパートを辞めて個人事業に集中しようと決めたときは、
「副収入なしでやっていけるだろうか?」「仕事が来なかったらどうしよう・・・」
という不安もありましたが、やってみると意外と何とかなりました。
スピリチュアルな考え方ですが、「手放した分だけ入ってくる」というのは本当なのかもしれませんね。ちー🍀
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