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筆者は現在、韓日翻訳の仕事をしているのですが、その前は韓国企業の日本法人で働いていました。
就活で韓国企業に履歴書を送ったり面接を受けたりするにあたって、TOPIK6級を持っていたことが非常に役に立ったことから、周りの韓国語学習者の方にはTOPIK5級・6級に挑戦することをおすすめしています。
TOPIKⅡは、リスニング(듣기)、作文(쓰기)、読解問題(읽기)の3つのパートに分かれており、それぞれのパートに対する対策が必要になってきます。
この記事では、TOPIK5・6級の対策として、各パートごとのおすすめ勉強法をまとめていきます!
こんな方におすすめ
- 韓国語を使って仕事をしたい
- 就活や転職のために、TOPIK5・6級を取っておきたい
- 中級レベルから、韓国語が伸び悩んでいる
TOPIKとは?
TOPIKは、『Test of Proficiency in Korean』の略で、韓国政府が認定している韓国語の検定試験。韓国語では『한국어능력시험』、日本語では『韓国語能力試験』とも呼ばれますよね。
TOPIKはもともと初級(1・2級)・中級(3・4級)・高級(5・6級)の3つの試験に分かれていましたが、2014年の改訂で、初級がTOPIKⅠ(1・2級)に、中級と高級がTOPIKⅡ(3・4・5・6級)に統合されました。
つまり5・6級を受ける人は、TOPIKⅡを受けて、点数によって級が判定されることになります。
級 | 3級 | 4級 | 5級 | 6級 |
---|---|---|---|---|
合格点(300点満点中) | 120点以上 | 150点以上 | 190点以上 | 230点以上 |
TOPIK 5級・6級の難易度は高い?レベルは?
TOPIK5・6級は、最上位の等級なだけあって、もちろん難易度は高いです。
TOPIKを運営している韓国教育財団の公式ページによると、5・6級のレベルと合格基準は、このようになっています。
級 | レベル/評価基準 |
---|---|
5級 | ・政治・経済・社会・文化などの身近なテーマについて理解し、使用できる。 ・専門分野においての研究や業務に必要な言語能力をある程度もっている。 ・公式的、非公式的かつ口語、文語的な脈絡の言葉を適切に区分し、使用できる。 |
6級 | ・政治・経済・社会・文化などの全般的なテーマにおいて身近でないテーマに対しても不便なく使用できる。 ・専門分野における研究や業務遂行に必要な言葉を比較的正確に、流暢に使用できる。 ・ネイティブ程度までではないが、自己表現を問題なく話すことができる。 |
ただ、どれだけ難しくても、
(1)基礎能力を上げて、
(2)問題集で出題パターンに慣れる
というこの2点の対策ができていれば「死ぬほど難しい」なんてことはありません。
①リスニング(듣기)の対策
まずは、50問ある『リスニング(듣기)』の対策から。
5・6級の評価基準に「政治・経済・社会・文化などのテーマを理解し、使用できる」ことが挙げられているだけあって、TOPIKでは韓国社会をテーマにしたリスニング問題も頻繁に出題されます。
ニュースでは、社会問題を含むさまざまなテーマについての旬の話題が取り上げられるので、毎日聴く習慣をつけて耳を慣らしておくことをおすすめします。
私のおすすめは『KBSニュース』です。
公式YouTubeチャンネルにて、最新のニュースが配信されています。
KBSニュース公式チャンネル:
スクリプト(文字起こし字幕)の利用方法
リスニング対策に効果的なのが、スクリプトを活用した『ディクテーション(書き取り)』。
KBS公式チャンネル内のトピックごとに区切られた短めの映像(アーカイブ)では、アナウンサーや記者が読み上げている音声の文字起こしが利用できます。
一度何も見ずにディクテーションした後に、聞き取った内容を答え合わせするとリスニング力がぐんとアップ!
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韓国語のリスニングを鍛えるにはディクテーションが効果的!方法やおすすめの教材など
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参考書・問題集で出題パターンに慣れる
ニュースなどで耳を鍛えておいても、それだけでは当日焦ってしまうので、やはり模擬試験を解いてTOPIKの出題パターンに慣れておくことをおすすめします。
「韓国語能力試験TOPIKⅡ 中・上級完全対策」には3回分の模擬試験が収録されていますので、とりあえずこの3回は解くようにしましょう。
付属のCD(ダウンロードも可)を使って時間内に問題を解く練習をすれば、かなり効果的な対策になると思います。
筆者も実際に使ってみましたが、①解説が分かりやすいのと②韓国語で話されるすべての文に対する日本語訳がついていて、とても使いやすい印象でした。
②作文(쓰기)の対策
次はTOPIKの最大の難関、『作文(쓰기)』です。
作文パートは全部で4問あって、配点は100点。(TOPIKⅡの満点は300点)
特に4問目は、なんと配点が50点!
1問目: 穴埋め式 1文 x 2か所 (10点)
2問目: 穴埋め式 1文 x 2か所 (10点)
3問目: 200~300文字の作文 (30点)
4問目: 600~700文字の作文 (50点)
このパートで点数を稼ぐには、単純な語彙力だけでなく、『書き言葉(한다体)』や『分かち書き(띄어쓰기)』ができているか、自分の意見を論理的に文字数内でうまくまとめられているかなどのテクニック面も試されます。
総合的に対策できる参考書としては、TOPIKⅡの作文に特化した「韓国語能力試験TOPIKⅡ 作文完全対策」がおすすめ。
著者が元国語教師の方で、練習問題を通して作文のテクニックを鍛えることができます。
分かち書きについて
韓国語上級者でも、『分かち書き(띄어쓰기)』を間違う人は意外と多いです。
非ネイティブが完全にマスターするのは難しいと思いますが、分かち書きするかどうかに迷ったら、国立国語院(국립국어원)など韓国の辞書サイトで検索してみるのもいいでしょう。
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韓国語の分かち書き(띄어쓰기)の調べ方
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③読解問題(읽기)の対策
次に、読解問題(읽기)の対策です。
読解問題パートは50問あって、それを70分で解かなければいけません。
聞き取りと同じように、模擬試験で問題形式に慣れておくのはもちろんのこと、文章を読むスピードを上げておく必要があります。
筆者が6級に合格した時は、中央日報(중앙일보)や朝鮮日報(조선일보)といった主要メディアのニュース記事を、一日一記事選んでプリントアウトし、音読するようにしていました。
分からない単語はとりあえず無視して最後まで読む練習をすることで、目が鍛えられたと思います。
5級・6級の単語の勉強法
単語の勉強法についてですが、筆者は単語集は買わない派です。
ひたすら単語だけ暗記しても、それが実際どのように使われるかが頭に残っていないと効果が薄いからです。
そのため単語の勉強としては、問題集や模擬試験、ニュースに出てきた単語を辞書で調べて例文と共にノートにまとめておくことをおすすめします。
例文ごと覚えることで、どういう状況でその単語が使われるのかが分かりますし、作文(쓰기)の対策にもなります。
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【韓国留学経験者が教える】韓国語おすすめ勉強法~作文のススメ~
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また、辞書を引く際は韓日辞典でもいいのですが、「中級を過ぎたら、できれば韓韓辞典を引くと良い」と韓国語の先生が言っていました。韓国語を韓国語で理解できるようになると、表現力が身についてネイティブに近づけるからだそうです。
韓韓辞典は、国立国語院が運営している우리말샘や표준국어대사전などオンライン辞典を利用してもいいですし、市販の電子辞書で韓韓機能があるものを選んでもOK。
合格までの勉強時間は?
気になるのは、どれくらい勉強すれば合格できるの?ということですが、
こればかりは、「人それぞれです」としか言えません。
○○時間勉強すれば絶対に受かる!というものでもないと思うので・・・
筆者の場合は、韓国留学中に一日2~3時間ほど机に向かっていたので、TOPIK6級に合格するまでのトータルの勉強時間は 450時間(2.5時間 x 180日) くらいだったと思います。
留学していた分、韓国語を使ったり、現地のニュースを聞いたり、まとまった勉強時間を確保できたのがよかったのかもしれません。
留学しないとTOPIK6級取るのは難しい?
TOPIKは設問もすべて韓国語で構成されてますし、韓国文化やニュースに関連する問題が出題されたりするので、韓国に留学しているorしていた人のほうが有利と言えるでしょう。
ただ「留学しないで6級取れました!」という人もごくたまに見かけるので、その人の努力次第といったところでしょうか。
あとがき
TOPIK5・6級に合格することは簡単なことではありませんが、地道に対策をしていけば必ず良い結果がついてきます!
今回の記事ではTOPIK5・6級の対策としてリスニング・作文・問題読解のパートごとに勉強法ご紹介しましたが、少しでも勉強のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました^^
ちー🍀